思想の泉

始めようと思う時と、もうやめようと思う時

2024年12月3日

 私は興味をそそられたものにはすぐ食いつくけれど、だいたい3日も続かない。巷でよく言うミーハーだ。

 色々なものに食いついては、飽きて離れて。そのプロセスを幾度となく繰り返した後に、ふと思った。

「始めようと思う時と、もうやめようと思う時って、それぞれどんな事を考えているのだろう?」

 少しの間考えてみて気づいた。私は、自分自身が気持ち良くなれそうだと思った時に、物事を始めている。バイクは、自転車じゃ出せないスピードで道路を走ったら気持ち良いだろうなぁ、と思った時に始めた。ピアノは、人前で華麗にクラシックを奏でることができたらさぞかし気持ち良いだろうなぁ、と思って始めた。

 逆にやめようと思った時。高校生の頃、数学の勉強が嫌になって文系志望になった時は、テストで毎回赤点だったし、先生に黒板の問題の解答をするよう指示されても「わかりません」と答える屈辱を毎日味わった。他にも、パチンコを打っていてもうやめようと思った時、自分の頭上でだけ増加し続ける数字の恥ずかしさに耐えられなかった。

 つまり、私はプライドの高い人間で、そのプライドが満たされそうな行為は積極的に行い、プライドが毀損されそうな時は辞めているのではないか?

 しかし、より高尚な物事を達成するためには、泥臭く恥ずかしい思いをする時期も乗り越えなければ得られない。それにより得られる地位や名声だってあるはずだ。多少の「恥ずかしい時期」を乗り越えれば、自尊心の高い私でも満足できる何かに出会えるかもしれない。今日明日のプライドを気にして物事を諦めているようじゃ、大成できない。